セックスでうつったクラミジアに市販の薬は効く?治療を含め医師が解説

この記事を書いた医師

山東 典晃

Noriaki L. Santo

山東 典晃

Noriaki L. Santo

医師

筑波大学医学群医学類卒業。国立病院機構機構東京医療センター泌尿器科に入局、埼玉医科大学国際医療センター泌尿器科助教を経て、現在、東京医療センター臨床研究センター研究員。ハーバード大学 ICRT Program 修了。

セックスでクラミジアになってしまった!治療法は?

クラミジアの感染経路

クラミジアは尿道・子宮頚管・咽頭・眼瞼結膜といった、様々な部分に感染する可能性がありますが、最も多いのが性器への感染です。クラミジアは日本で最も多い性感染症、つまり性行為・セックスによって感染する感染症です。

自分で市販の薬を買ってよい?

結論から言うと、クラミジアを治せる市販薬はありません。したがって、市販薬を買っても、クラミジアは治りません。

 現在日本では、クラミジアの治療に使われる抗菌薬(抗生物質)の処方には医師の判断が必要とされており、薬局・ドラッグストアで個人が自由に購入することはできません。

 インターネットで検索すると、確かにクラミジアの治療薬として販売されているものが見つかります。しかし、これらの薬はそもそも本当に効果があるのか、危険な成分が含まれていないかがはっきりせず、その薬ではまったく効果がないタイプのクラミジアに感染しているかもしれませんし、治療効果というメリットより有害成分というデメリットの方が大きくなってしまう可能性もあります。また、自分の判断で適当に飲んでしまうと、たとえ安全な薬であっても身体に毒になってしまうこともあります。医師の診察に基づく適切な用量・用法で薬を使うことが、最も速くかつ効果的にクラミジアを治すことにつながります。必ず医療機関を受診し、医師に処方された薬を使うようにしましょう。

医療機関を受診しましょう

では、医療機関ではどのようにしてクラミジアを治療するのでしょうか。

 まず、クラミジアのお薬には、大きく分けて3つのタイプがあります。

①テトラサイクリン系:ドキシサイクリン・ミノサイクリン

副作用が多い薬です。8歳未満のお子さんや妊娠中の方は使ってはいけません。授乳中の方は、母乳をあげるのをやめる必要があります。

②マクロライド系:エリスロマイシン・クラリスロマイシン・アジスロマイシン等

あまり副作用が出ない抗菌薬で、基本的に安全とされています。考えられる副作用としては、吐き気・嘔吐などの軽い消化器症状があります。

③ニューキノロン系:レボフロキサシン

気持ち悪さ等の消化器症状や、頭痛・めまい等の神経症状が主な副作用として知られているほか、心臓に重大な副作用を及ぼす可能性もあります。また、奇形につながる恐れがあるため、妊娠中の方やお子さんはニューキノロン系の薬は基本的に使えません。

 これらの薬の中から、医師が症状・重症度・妊娠の有無・年齢等を考慮して、最も適切な薬を処方します。薬を飲まなければいけない期間には個人差がありますが、いずれにせよ「症状がなくなったから」と勝手に薬を飲むのを中止せず、処方された分はすべて飲み切りましょう。そのうえで、もう一度検査をし、クラミジアが完全にいなくなったと判断されれば治療は終了となります。

症状に気付いたら早めの受診を

クラミジアは、放置すると不妊にもつながる怖い病気ですが、きちんと治療すれば完治できる病気でもあります。何か症状に気付いたり、パートナーの感染が分かったりしたら、なるべく早めに医療機関で適切な治療を受けるようにしましょう。

 渋谷駅徒歩0分の立地のクリニックTENでは、平日21:30・土日祝17:30まで受付を行っています。事前にウェブ予約・問診を行っていただくため、クリニックでの待ち時間はほぼ0分です。

 クリニックTENには、婦人科と泌尿器科の両方の専門医が所属していますので、男女どちらの診療も行うことができます。ご自身だけでなく、パートナーと一緒に同じ病院で治療を受けられます。クラミジア、そして同じく性感染症の原因となる淋菌の両方を、その場で検査・結果を確認してその日に治療できますので、「クラミジアに感染したかもしれない」という場合には、パートナーと一緒にクリニックTENを受診してください。

参考文献